『行政よりも売春?』
取材に8年間を費やしたという前作『家のない少女たち』も衝撃的でしたが、この本も衝撃的。
前作には、未成年にして頼る親も家庭もなく、売春をするしか生きる術をもたない少女たちが登場しましたが、今作に登場するのも、頼る実家も夫も定職もなく、子どもを食べさせていくために売春するしかないシングルマザーたち。
ちょっと待って?と思いますよね?
子どもには児童福祉の制度がある。
大人にも生活保護ってものがある。
いろいろな事情で働けない、安心して住める家がない、そういう人たちのための行政支援があるじゃない?
なぜ、そこじゃなくて、売春なの?
鈴木さんの本は、基本的に当事者の立場から書かれています。
実際の当事者には、売春はできても行政には頼れないという、とても厳しい現実もあるのです。